固定金利と変動金利の違い、わかりますか？中途半端な知識で自己流に解釈してしまうと、後悔や失敗をし兼ねません。“金利”と聞くと、専門用語や数字の羅列で難しくとっつきにくい印象があるかもしれません。今回は固定金利と変動金利について簡単な言葉でまとめてみました。今でしたらどちらがおすすめなのかについても、ふれていきます。
固定金利とは？
固定金利とは、その名の通り、金利が固定されているものです。なので、借りている期間を通じて金利が固定されている商品になります。金利が全期間一定のものだけでなく、最初の10年が〇％、次の10年が〇％と段階になっているものもあります。契約当初に金利が確定しているものは、固定金利の仲間と考えていいと思います。
固定金利は、契約したときの金利がスケジュール通りに実行されます。なので、いつの時点で月々の返済がいくらなのか、その時にあとどれ位ローン残高があるのかも、契約の段階で決まっています。返す総額もぶれません。固定金利の最大の特徴はこのぶれないことです。
ちなみに、５年固定〇％、10年固定△％、35年固定◎％ と期間が長くなればなるほど、金利は上がっています。固定期間が長いものが金利が高くなっているということが当り前すぎて、何故なのか考えることがないかもしれませんが、これはこういう理屈になります。
5年固定で例えますが、5年固定とは、金融機関が5年間だけ金利を固定しておけば、５年後金利が上がっていたとすれば、それは金融機関はお客様(住宅ローンを借りている私達)に請求すればいいだけのことです。ですが35年固定は、35年もの間、どれだけ金利が上がったとしても、金融機関はお客様に請求することが全くできないということになります。なので、その金利が上がるかもしれない“リスク”に金融機関が備えて、金利が高くなっています。私達側にしたら、35年固定は、“ホケン”として金融機関に高い利息(金利)を払う分、その先の金利の変動については“ノーリスク”にということになります。
変動金利とは？
変動金利とは、その名の通り、金利が動き、変わります。要するに、今後の金利がどれだけになるのかは想像の話となります。変動金利を利用する場合、金利が上がる可能性の方が高いので、準備しておく心構えが必要となります。
現在、変動金利型は、最も低い金利で利用できる住宅ローン商品となっています。なので、低金利が続く限りは変動金利のメリットを受けることができます。しかし変動金利型は、将来的に金利が上昇した場合に、５年後、10年後で、毎月の住宅ローン支払額が大幅に増えてしまう可能性が生じてきます。
住宅ローンの返済が開始した当初は、毎月の返済額は、金利部分が多いものです。それは変動金利、固定金利関わらず言えます。それでも、元金部分の返済に充当する額はあるので、毎月の返済と同時に、元金も減っていきます。ですが、金利が上昇すると、返済額に占める金利部分が大きくなり、その分だけ元金部分の返済額が減少するので、元金の減りが少なくなります。金利が大きく上昇した場合には、毎月の返済額全てが金利の部分に充当するような形になり、未払いの利息が発生し始めます。
といったように、変動金利は、将来的にもしも金利が上昇した時には、毎月返済しているのは、借り入れた元金ではなく金利分の返済ばかりになり、元金が全然減らないどころか、返済しなければならない金利が溜まっていくような可能性があるとも言えます。よって、そうなった場合はその後の返済計画に影響が出るかもしれません。
今選ぶべきは変動金利！その理由は…
見た目の金利が変動金利の方が低くても、今だからこそ固定金利を選択すべきと考えます。変動金利が上がるには数年かかるかもしれませんが、住宅ローンの長い返済期間中、今のままの金利でこのままいくとは考えにくいです。
現在、変動金利と固定金利の差は0.5%もないです。この金利差は変動金利を選んで今後金利変動リスクから解放される保険料と思えば安いものではないでしょうか。変動金利を選ぶ理由がないくらいなのです。
変動金利は、日銀の政策金利に連動するため、順調に景気が回復すると、変動金利は上昇していくことになります。そして、金利が動くときは、変動金利よりも固定金利が先に上がる傾向があります。今の固定金利は、これ以上ないという位の低さです。変動金利にしておいて、「金利が上がってきたから固定金利にかえよう」というのは手遅れということも起こり得ます。
住宅ローンという多額の借金をするならば、「自分に起こっては困ること」、つまり金利の上昇の影響を避けたプランを立てることが安心です。
将来の金利はあくまで予想。リスクは最小化しておくべき！
金利に関して、確実にこれだけは断言できることがあります。それは「未来の金利はあくまで予測であって、確定していることではない」ということです。なので、どうになったとしても、身の丈の中で完結できるように、基本的にはリスクを最小化しておくこと＝我が家にとっての安全パイを選択しておくことが、一番大事になります。
金利が将来どうになるか分からない以上、変動金利より固定金利の方が絶対にお得です！と言い切れない訳はそこにあります。答えは35年経たなければ、わからないですから。正解がない以上、現在の金利水準がいかに低いかという客観的事実を踏まえて、家計やご家族と相談して決めるようにして下さいね。