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共働き夫婦は年収を合算して住宅ローンを組むべきか?メリットと注意点

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今は夫婦共働きの時代ですね。そのため、住宅ローンを組む際にはお互いの「収入合算」を考えているご家庭は多いかなと想像します。

夫婦共働きで住宅ローンを借りる方法には複数の選択肢があります。どれを選択するかで、メリットやこの先の負担が大きくかわります。二人の収入を合算して住宅ローンを組むべきなのか?夫のみにするべきなのか。合算してメリットはあるのか。共働き家庭の皆さんが疑問に思うこれらについて、ふれていきます。

夫婦の収入は合算して住宅ローンを組むべきか?

私は個人的には、夫の収入だけで返済可能の範囲での住宅ローンがよいのではないかと思ってます。なぜなら、もう働き方が確定されている方は除きますが、女性は出産や育児がキャリアにダイレクトに影響します。ずっと正社員のつもりがパートになったり、保育園問題、育児、介護、その他予定外なことが起きて退職することになったり。

“たられば”を挙げればキリはありませんが、可能性はゼロではありませんし、実際よく耳にする話です。「妻が働かないと住宅ローンが返済できない」というのは、夫婦お互いがなかなか大きなプレッシャーになるのではないでしょうか。

逆に、夫の収入のみの住宅ローンにして妻が着実に働くことができれば、妻の得た収入は全額貯蓄にまわせたり、子供の教育にかけることが可能になります。生活もだいぶ潤うかもしれません。ですが、一生に一度の買い物のマイホーム。頑張って共働きされているからこそ理想を求めたい!それが働く励みになる!という気持ちもわかります。ご夫婦で綿密なライフプランを立てて、妻の働き方や今後の変化を見据えて、収入をどこまで考慮するのか、線引きをきちっとしておく必要はあるといえます。

借りられる金額が増えるのが夫婦の収入合算でのメリット

夫婦で住宅ローンを組むメリットは2つあります。1つは、夫婦の年収を合算することで、夫の年収だけで借りるよりも借入可能額が増えて、購入可能な物件が増えます。それにより、希望に沿った物件が見つかる可能性が高いことです。

もう1つは、年収がそれほど高くない20代のうちでも、夫婦の年収を合わせればローンを組むことができるので、その分ローン完済の年齢も早くなるということです。

年収が理由で住宅ローンの審査に通らない(であろう)場合に、それを補うことができるのが収入合算のメリットです。

夫婦の収入を合算するおすすめの方法3種類をご紹介

夫または妻どちらかだけでも収入が十分で、単独で希望金額まで借りられる場合はシンプルです。希望の金額に対してどちらかの年収だけでは足りない場合には共働き夫婦のローンの組み方は3種類あります。「連帯保証型」「連帯債務型」「ペアローン」です

①夫が借りて妻が連帯保証人になる「連帯保証型」

妻の収入を合算して夫1人で住宅ローンを組み、妻は連帯保証人になる形態です。妻が借入人にならなくても、借入額を増やすことができます。連帯保証人になると、夫の返済が滞った場合は事実上、妻である連帯保証人に、ほぼ同等の支払い義務が生じることにはなります。妻は債務者ではないので住宅ローン控除は受けられないのと、団体信用生命保険(万が一の時には住宅ローンの支払い免除になる保険です)も加入できません。

②夫婦が二人とも債務者になる「連帯債務型」

1つの住宅ローン契約を、夫婦それぞれが債務者となる形態です。連帯債務の場合、連帯債務者(妻)は、夫婦それぞれが借入額の全額の債務を負うことになります。ただ、1つの住宅ローンなので返済額の割合は夫婦で自由に設定できます。

③夫婦が単独でローンを組む「ペアローン」

夫婦それぞれが単独で住宅ローンを組む形態です。夫婦それぞれが各自の借入額分の債務を負います。事務手数料は2人分かかりますが、夫婦それぞれが住宅ローン控除も受けられて、団体信用生命保険にも加入できます。夫婦で住宅ローンを組むのなら、「ペアローン」をおすすめします。

「ペアローン」の注意点は、手続きの手間や費用が倍になることや離婚時の作業

夫婦の収入合算しての住宅ローンは「ペアローン」がおすすめと書きましたが、注意点もあります。

夫婦それぞれが同じ物件に対して別々の住宅ローンの契約を結ぶことになるので、お互いがお互いの連帯保証人になることになります。住宅ローン契約が2本という形になるため、登記も2つ必要になります。抵当権設定登記の費用、司法書士報酬、印紙代などの手数料も2倍になります。

また、持分割合(所有権のことです。登記をするときに決定します)とローン負担割合を同じに設定しいないと贈与税が発生してしまいます。この二つは同じに設定しておけば問題ないので、気を付けて下さい。

加えて、夫だけで住宅ローンを借りているケースと比較して、離婚時の作業(財産の持分割合、今後どちらが住むのか、連帯保証人の解消は必要あるのか等)が複雑になります。

夫婦のこれからのライフプランが最重要!

収入合算した住宅ローンの一番のメリットでありつつ一番のリスクでもあるのは、妻も返済をしなければならないということです。ライフスタイルが変化する可能性をよく検討することが肝になります。一言で共働きといってもその形は様々ですし、今後どのようにしていくかをよく考えて選んでいくことが大切です。将来夫婦のどちらかが働かなくなる、働けなくなるリスクも含めたライフプランニングが重要だと覚えておいて下さい。

注意したいのは、収入合算することにより借入可能額は増えますが、むやみに購入物件の価格をあげないことです。収入合算をしてもしなくても、「身の丈に合った理想のマイホーム」をこれから長期にわたってコツコツと返済していく現実がある、ということを忘れないでくださいね。

住宅ローンのコンサルタントである私の夫が「絶対後悔しない住宅ローンの借り方返し方」という住宅ローンのハウツー本を出版しています。元銀行員の視線で、住宅ローンにまつわるきわどい本音を書いていますので、ぜひご一読ください。

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「住宅ローン専用相談窓口」として、栃木群馬住宅ローンセンターを運営しています。「マイホームを建てられるのか?」というスタンスではなく、人生の様々な家族のイベントを経ても、「住宅ローンをしっかり完済できるか?」ということに重視して相談に応じています。夢のマイホームを確実に、そして安心して手に入れられるようにアドバイスを行っております。家づくりの参考にしていただけたらと思います。お気軽にお問合せ下さい。

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