憧れのマイホームを持ちたい。この先ずっと家賃を払い続けるのなら家を買ってしまいたい!
結婚や家族構成に変化があったときや、子供の入園や入学のタイミングに合わせてなど。人それぞれ、マイホームに思いや希望がありますね。
そして、マイホームをたてたい!いい物件に出会った!この次に浮かぶのは、「うちは住宅ローン、借りられるの?」ではないでしょうか。
今回は、皆さん気になると思います「年収350万円で住宅ローンは組めるのか?」という疑問について、専門家の視点からお答えしたいと思います!
年収350万円で住宅ローンは組めるの?
住宅ローンを組むとなると、お金を借りられるかどうかの審査の申し込みをしますが、そこには様々な条件や基準があります。年収はその一つです。
現在の年収の基準は、ネット銀行からメガバンクまで最低年収は300万円~という金融機関が多いです。よって、年収350万円あれば、審査に申し込む段階には充分進めます。
収入や生活に見合っている金額で、毎月こつこつと返済し続けることが可能な金額であれば、年収350万円でも住宅ローンを組むことが可能といえます。
年収350万円で住宅ローンはどれくらい借りられる?
現実として、年収は借りる金額に影響する項目だと思って下さい。年収350万円は、住宅ローンを借りるスタートラインにはたてますが、いくら借りられるのか、希望の金額借りられるのかはまた別の話です。
住宅ローンには「返済比率(返済負担率)」という基準があります。返済比率とは、住宅ローンや他の債務(車のローンや消費者ローン、奨学金等)の年間の返済額が、年収の○%となるように住宅ローンを組みなさいという基準です。
基本的にこの基準をオーバーしている人は、基準内となるように、返済期間を延長するか、借入額を小さくするかしなければなりません。日本のどこの金融機関も住宅ローンの貸付は利益を目的で行っています。貸した金額を回収できる見込みのない方には、まず住宅ローンを貸してくれません。
なので、「いくらなら借りられるのか」ではなく、「いくらなら返していけるのか」といった金額を求めることが重要になります。金融機関は「この年収に対して、これくらいなら貸してもいい」という数値を決めています。年収350万円の方なら、1年間で返済にあてることができるのは、〇万円位まで、といったかたちです。
具体的には、一般的に無理のない返済比率は年収の20~25%内、つまり月々の返済額は5万8千円~7万3千円程となります。なのでその範囲の金額の物件ならばスムーズに話が進むといえます。堅実な金額といえるかなと思います。
マイホームをもてば、光熱費は賃貸の時より上がりますし、固定資産税や各種税金、火災保険、時期が経てばメンテナンス、住宅ローン以外の「家にかかる出費」がたくさんあります。普段の暮らしの支出もあります。確実に出ていくお金は増えます。
「借りられる金額、借りたい金額」と「無理なく返せる金額」はイコールではありません。少し背伸びをして借りれば、その分マイホーム自体に満足はするかもしれませんが、何か起きたらすぐに家計が立ち行かなくなる可能性もでてきてしまうかもしれません。日々の暮らし自体も苦しく感じる時もあるのではないかと感じます。
身の丈にあった金額の住宅ローンを組むことが長期間にわたる返済生活には重要です。また、無理なく返済ができる金額ならば、住宅ローンも通りやすいといえます。
頭金とか諸経費分とか、現金や貯金は必要になってくるの?
頭金とは、物件の価格の一部を預貯金で用意する金額のことです。一般的には、物件価格の1割程度は頭金を入れるべきと、言われています。2000万円の家を買うときに、1割の200万円を貯金から頭金として出す、という形です。
頭金が多いほど、借りる金額は少なく済みます。ある程度の頭金があると、住宅ローンの審査が通りやすい、金利も低くなりやすい、というメリットもあります。頭金をある程度貯めてから住宅ローンを借りるというのは堅実な考え方です。ですが、頭金がなくてもマイホームをもつことはできますし、住宅ローンの手続きにかかる諸経費も、ローンへ組み込むことが可能なタイプのものもあります。
理想は頭金に入れられる程度の預貯金はあるけれど、今は金利が低いので、全て借りて、その分の預貯金は手元に残しておくのがよいかなと私は考えます。万が一のことが起こったときに、生活を守ってくれるのは貯金です。頭金に全て使って、いざマイホームに住み始めたときに貯金ゼロ、は不安ではないでしょうか。
貯蓄がゼロの方は、マイホームを買う時期を先に延ばして、まずは諸経費が払えるくらいのお金は現金で貯めてください。それを実際は諸経費で使わなくても、それくらいの貯金をもった段階で住宅ローンの審査の申し込みをした方が結果はよいものになりますし、マイホームに引っ越す際も新生活にお金はあった方がよいです。
借りるためにはまずライフプランを考えよう
まずは、ライフプランニングをしっかりたててみましょう。夢のマイホームを建てたいけれど、「いつ」「いくらくらいで」建てることが合理的なのか?また、資金的な相談をどこにしたらよいのか? で悩んでいるケースは多いです。
まずは、じっくり資金計画とライフプランニングを建てることが重要です。家族構成、出産、進学、教育費、夫婦の働き方、それらに伴う収支、等。具体的な数字をだして、このイベントのときはお金はいくらかかる?と家族で話し合ってみてもよいでしょう。どうしたいのか、だけでなく、どうするのが最善かが見えてくるかと思います。その上で、じゃあマイホームにはいくらかけられるのかな、と現実的に考えられるようになります。
借りられたらゴールではない、長い返済生活のスタートラインに立っただけです
年収350万円でも、住宅ローンを組むことは可能です。そのためには、住宅ローンの審査の基準を理解して、しっかりと準備と対応をすることがポイントになります。
いうまでもなく、マイホームは人生でもっとも大きな買い物です。夢がふくらみがちですが、長い返済生活があって、きちんと返していかなければなりません。身の丈にあった物件を選択し、住宅ローンを組み、健全な返済計画をあてることは一番重要です。
それぞれのご家庭で家族構成や地域性、家計の事情もあると思いますが、冷静に現実的な判断をしていきましょう。